髪が薄くなり一番心に堪えるのは、痛々しい程の周囲の気遣いに感づける様になる事。ヘアスタイルの話になるとあえて話題を反らし始めたり、社員食堂で付けっ放しのテレビが薄毛やヘアケアの話題に移ると一瞬黙り、焦った様に他の話題を話し始めたりと、さすがに鈍感な私でも分かります。
そもそも薄毛となってからは気にするのは一切無駄と、短髪にして堂々と頭を晒している私にとって、周囲の話題がどうであれ気になったり悲しくなったりという事は一切無く、普段通り接してくれればいいのに…と思ったりする訳です。
逆に腫れものにでも触る様な他人の対応が嫌になり、それすらも忘れられる自然の中で休日を過ごす様になりました。
アウトドアで出会う人は当然の事ながらこちらの薄毛など一切気にせず、気さくに挨拶を交わしてくれます。お互い趣味の世界にどっぷりハマっているのですから、髪の毛の事などもはやどうでも良く、その話題のみで楽しく過ごせるのは嬉しいものです。
こちらの髪の毛を気にせず普段通り接してくれる人間は、旧友を始め本当に少なくなりました。幼い頃から色んな事を許容してくれる旧友だからこその安心感。これから年齢を重ねるにつれ新たな出会いが少なくなってゆくだけに、大変貴重です。